ジョブズの死とヤン・ウェンリー いま僕らは天才亡きあとの世界に生きている

とにかく僕らは天才が死んだあとの世界に生きていて、

前にもどっかに書いたような気がするけど、これは銀河英雄伝説でいうと「魔術師、還らず」以降の世界なのですよ。

読んでない/観てない人のために言うとですね、魔術師とまで呼ばれるほどの天才指揮官ヤン・ウェンリーが死んでしまったあとの世界なのです。いまの我々がいる時代のことね。三国志ファンのために言いかえるなら、今まさに仲達が走るタイミングです。

で、銀河英雄伝説ではその後どうなったかというと、ヤンの嫁フレデリカと、愛弟子ユリアンとの二人でその穴を埋めんとする展開になってます。もう物語も終盤もいいところなのですが、ここでようやく僕なんかは「あ、主人公ってヤンじゃなくてユリアンの方だったんだ!」と気付くほど、生前のヤンはすさまじい活躍ぶり。

田中芳樹先生すげーなと思うのはまさにここで、ヤン・ウェンリーという天才がいて、かたや前途洋々ライバルのラインハルト(ビル・ゲイツ役かな?w)がいて、そのふたりのストーリーじゃないかと思わせつつ、物語の見え方はユリアンという第三者の視点が主軸なわけですね。ヤンはあっけなく死んじゃうし。

この世界は誰かの伝記ものがたりではないので、巨星、乙(否、落つ)では終わらないのです。革命的な天才や天才的な革命家が死んだあとも、残された我々はどうにかしていかなくてはいけない。それまさに銀英伝のヤンの死後みたいなものです。

あらまあ、なんとつまらない世界だことか。

だって、これまで主役だと思ってたひとが若死にしてしまうんです。あれ?この世界の主役いなくなった?おれら脇役でどうしてくの?という感じです。ほどほどの人が席を去ったなら次は我々の番だと意気込んでいられますけども、世紀の大天才の場合はまるで違いますよね。これまでワクワクさせてくれたスターがいなくなったんですから。

ちなみに銀英伝での次のエピソードは「祭りの後」というサブタイトルが付いてます。iPhone 4S 発表の直後ということもあり、まさにこれも的を射るているように思えてきますね。はて、どんな話だったかな?あまりにも「魔術師、還らず」のショックが強すぎて思い出せない。いや、その後の世界が輝きを完全に失ってしまっていたからかな?

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